離婚事件について
当職は、ここ十年で、相続事件を扱うことが多いのですが、以前は離婚事件の取り扱いも多かったです。
離婚事件の代理人をしていて思ったの
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当職は、ここ十年で、相続事件を扱うことが多いのですが、以前は離婚事件の取り扱いも多かったです。
離婚事件の代理人をしていて思ったのは、やはり人の心はわからない、ということです。
弁護士として、離婚手続きに関する知識や、離婚調停における運用など、少しは身についたつもりではいますが、担当した離婚事件を最良の結果で終えるためにはどうすればよいか、については、いまだに答えが出ないままです。
人によっては、
「離婚事件は心が重くなるので、早く事件から解放してあげた方がいいので、多少不利な条件でも早く終わらせてあげた方が最良ではないか」
という意見もあれば、
「もうここ(訴訟)まで来てるんだったら、徹底的にやって本懐を遂げさせてあげた方が最良ではないか」
という意見もあります。
当職は、これまで担当した離婚事件では、お客様とお話して、お客様の本懐をお聞きし、その本懐を遂げていただきたい、という思いの方が強くでているな、と思いました。
ただ、お客様のご様子から、これはもう、早めに離婚合意した方が良いと判断した場合は、早期の和解をお勧めしたりしました。
当職、このような基準でお客様に接してきたのですが、そのご提案の際、お客様の反応をみますと、「あなたの言う提案は、私にとって必ずしもベストの回答ではない」という印象を受けることもあります。
「徹底的にやってほしい」と希望はしたものの、本当にここまでやっていいのだろうか。
「早く終わらせてくれ!」と言ったものの、本当にこの条件で終わりにしてよいのか。
「というより、離婚して良いのか、これ?」
お客様の中で、色々な思いが交錯なさっているのを感じることもあります。
そのような交錯する思いを踏まえたうえで、適切な提案ができれば良いのですが・・。
自分の経験ごときでは、お客様の心を完全に理解して、適切な提案をすること等、難しいな、と落ち込むことが多いです。
それでもお客様には、どちらかに決めてもらわなければならないので、当職としてはもう、お客様と検討を重ね、方針を決めていくしかない、という考えです。
離婚事件は重いです。人生の重要な分岐点だと思っています。
そんな分岐点に立っているお客様を支え、本懐を遂げてもらうことが、離婚事件における当職の役割だと思っています。
以上